生物の名前っちゅうやつは、然るべき手順を踏んで
「これこれこういう理由でいままでのやつとは違うから新種登録します!で、学名を〇○○△△△と提唱します!」
という学術論文を発表して、これが認められてようやく新種登録となるわけなんですが、今回の「あれ」は学術的な解析と学名が記載された論文が発表されおらず、正式に新種としての登録がなされていないわけなんです。
こういうのを未記載種といい、「sp.」と表記されてるわけなんですね~。
「ほぼほぼ新種なんだろうと思うんだけど、ちょっとまだわからんから、ちゃんと精査しますね~」
という意味です。
Thecacera sp.13
「おいおい研究者さんよ~論文書いてないのが渋滞してるやんけ~」
と思った方もいらっしゃるかと思うのですが、ぱっと見そうなりますよねw
海外に比べると日本ではそもそもウミウシ研究者が少ないそうで、なかなか研究が進まないんだとか。
とまぁ、小難しそうな話はことはこんなもんにしとくとして
ダイバーの中では「sp.」=「レア物」的な扱いになりがちですが、必ずしもそうではないのです。
ですが今回のこれは間違いなくレアです。
僕は生物の稀少性は特に重要視しておらず、そのものの美しさや不思議さにいかに興味を持ってもらえるかを大切にしながらガイドしているのですが、興味喚起の材料の一つとして「レア物」という表現はします。
そしてやはり未知との遭遇はココロオドル。
これですわ。
実物を皆さんに見てもらいたいのですが、どうやらこのあと姿を消した模様。
海の出会いは一期一会。
これからも驚きと感動をお届けする為の工夫をしながら、自身も海を楽しんでいこうと思います。
SHINでした。