浅場の締めはクマノミ。
ここのクマノミは観察・撮影しながら安全停止できる水深にいるってのが良いんですよ。
いつもお世話になっています~
ちなみにクマノミの雄雌の見分け方は尾びれの色。
白=メス、黄=オスです。
なので手前に写ってるのがメス。奥に写ってるのがオスですね。
ん?おや?
奥にいるオスがゴソゴソと怪しい動きしてるぞ~
これはもしや~
やっぱりありましたね~
これクマノミの卵。クマノミは基本的にはオスが卵のお世話をします。
なのでこの時期は特に、クマノミのペアを見かけた時にオスがイソギンチャクから離れずにゴソゴソとしてたら卵がある可能性が高いってわけです。
胸鰭を使って卵を扇ぐように新鮮な水を送ります。
この卵は産卵後4~5日程度経過しているかと思われます。
現地ガイド時代にハマクマノミのハッチアウト(孵化)の瞬間を追い続けてたことがあるので、卵の状態と水温から、産卵日からの経過日数がざっくりこのくらいってのがわかるんです。
卵の中ではしっかり目が出来て体のパーツも出来てきています。
生命の神秘だな~
赤いところが栄養袋。内臓になっていく部分です。
卵内の子供が成長するにつれて、この赤い部分がどんどんなくなっていき、ほぼ完全になくなった日の日没後に旅立っていきます。
タイミングや観察の仕方など、いろいろとコツがいるんですが、辿り着くまでなかなか大変だったな~。いっぱい時間かかったし、いっぱい失敗したな~懐かしい。初めてハッチアウトが観察できた日は感動したな~!あれは嬉しかったわ。
ところで、クマノミには「本州型」「沖縄型」(「小笠原型」ってのもあるそうですが割愛します)とあるんですが
メスの尾びれはみんな白
オスの尾びれは
・本州型・・・黄
・沖縄型・・・白に黄
これを踏まえてこのクマノミのペアを見ると
あれ?
行動から推察すると確実に手前がメスなんだけど、よく見ると「沖縄型」のオスの尾びれみたいに黄色が入っていることがわかります。クマノミはオスからメスに性転換することで有名ですが、オスだったころの体色が消えずに残ってんのかな~。そう言えば三重の海で見てたクマノミもこんな事あったの思い出しましたわ。これは要チェックや!
海水温の上昇により各地の海で色んな変化が起きています。
こんなのも、ちょっとした発見のきっかけになったりするんです。
今後、他のエリアのクマノミ達も改めて注目していこうと思ったのでした。
同じ場所で同じ個体を観察し続ける「定点観察」は色んな発見をもたらしてくれます。
定点観察はやっぱクマノミが一番だな。
SHINでした。